2019.12.16

  • 医院経営

歯科医院で患者の直前キャンセルを防ぐ4つの対策

歯科医院の安定経営を図るために必要なのは、患者のキャンセル対策です。

一般的な歯科医院ではキャンセル率が10%程度といわれていますので、1日に診察する患者が40名(治療費5,000円と想定)の場合、1日あたりのキャンセル数が4件発生したと仮定すると、急なキャンセルによる年間の損失は520万円以上です。(5,000円×4件×22日×12ヶ月)

急なキャンセルは歯科医院の経営にも影響を与えるだけでなく、治療が遅れることで患者にとっても不利益を被る結果になるため、できるだけキャンセル率を下げる取り組みが必要です。

弊社では、ホームページ作成のために多数の歯科医院様にお伺いしています。そのなかで見られたキャンセルを防止する具体的な対策をご紹介します。

歯科医院のキャンセル防止対策4選

一般的な歯科医院のキャンセル率は10%程度といわれていますが、慢性的に10%以上のキャンセル率が続いている場合は経営状況をかなり圧迫させる原因になるので注意が必要です。キャンセル率は10%以下、できれば5%程度に留めるのが理想ですが、どのような対策がキャンセル防止対策として効果的なのかを確認してみましょう。

1. 初診の段階で予約制の意義を理解してもらう

できるだけ患者に待ち時間を少なくして適切な治療内容で進められるように予約制を導入している歯科医院が多いと思いますが、患者にはあまり理解してもらえていないのが実情です。

予約をキャンセルされてしまうと歯科医院にとって損失が出るばかりではありません。本当はその日時に診察してもらいたかったほかの患者にとっても迷惑をかける結果になることを、患者にしっかり理解してもらうことが大切です。

予約制を採用している意義を理解してもらえるよう、初診の段階で丁寧に患者へお話して、次回予約日時は必ず守っていただけるように理解を求めましょう。

たとえば、

「予約日時を守っていただくことで(患者の名前)の治療をしっかり行えますのでぜひご協力をお願いします」

と、予約日時をしっかり守ることで患者にもメリットがあることを伝えるのも効果的です。

2. 次回の診察で行うことの重要性を医師がきちんと説明する

患者は自分が今どんな治療を施されているのかわかりにくいため、医師や歯科衛生士などが「今日はこんな治療をしました。次回はこんな治療を行いますので必ず○日後に来てください」と説明することが大切です。

説明が不十分だと、「痛みもなくなったし、次の治療はまた来週でよいや」とキャンセルに繋がりやすくなります。

「次回の診察ではこんな治療を行うけど遅れてしまったらこんなデメリットが起こる。だから必ず予約日時を守って欲しい」

と、次回診察の重要性を医師がしっかり説明することをおすすめします。

3. 待ち時間が長くならないように予約を詰め込みすぎない

患者が多くなるほど経営状況はプラスにですが、予約日時に来院してもなかなか診察に呼ばれず待ち時間が長くなるとキャンセル率が高くなる原因になりかねません。

患者も限られた時間内で来院しているのに、毎回待ち時間が長くなってしまうと、

「どうせ予約した日時を守っても待ち時間が長くなるから少しくらい遅れてもよいや」

「毎回混んでいて待ち時間が長くて疲れて面倒だから今日はキャンセルしちゃおう」

などと、遅刻やキャンセルに繋がる原因になるのです。

予約を入れる際には患者の治療内容に応じて診察時間を予測し、患者の待ち時間が少なくなるように調整しながら予約を入れましょう。

4. 予約日の前日に確認連絡をとる(メールなど)

たまたまほかの急用ができてしまったなどの理由でキャンセルされる例もありますが、中には何度もキャンセルを繰り返す例も少なくありません。

歯科医院に通う患者は、痛みを感じているときなど自分自身で緊急性を感じるようなときは必ず予約日時に訪れても、痛みがなくなってきたらついうっかり予約日時を忘れてしまう例も少なくないのです。

そこでおすすめしたいのが、予約日時の直前に患者へ電話やメールなどで連絡を入れる方法です。電話の場合はすべての患者に同じような連絡をすると大変なので、キャンセル率が高い患者を中心に連絡を入れるようにしましょう。

歯科医院向けの予約システムを導入している場合は、予約確認の自動メールを配信するシステムも用意されていてとても便利です。

歯科医院のキャンセル後の対応について

キャンセル率を下げるためにいろんな対策を講じても、完全にキャンセル率をゼロにするのは難しいものです。

やむを得ずキャンセルになる場合は、その後の対応もしっかり行うようにして経営状況に影響を与えないようにしましょう。

1. キャンセル理由を聞いて今後の対策に活かす

「予約していた日時では都合が悪くなったのでキャンセルしたい」と患者から連絡をもらった場合は、

「差し支えなければキャンセルの理由を教えていただけますか」と聞いてみましょう。

ほかの用事ができたなど明らかに患者の都合による理由なら、予約診療に対する患者の意識がまだ浸透していないのだと考えられます。患者に予約診療の重要性を周知してもらう対策を講じるなど、今後のキャンセル対策に繋がる防止策を考えることができます。

2. 次回受けてもらえるように誘導する

キャンセルになった理由を聞くだけではなく、次回の予約を改めて入れる場合には必ず来院してもらえるように促しましょう。

「治療が遅れてしまうと今は痛みがなくても悪化する可能性が高くなるので、○日のご来院をお待ちしています」

などと、次回はキャンセルにならないように治療が遅れることのデメリットを伝えることが大切です。

患者もまた痛みが再発すると困るので次回は必ず予約日を守ろうと認識してもらえるでしょう。

3. 無断キャンセルには必ず連絡を入れる

患者の中には無断キャンセルを繰り返し、しばらく経ってから「歯が痛み出した・・・」と来院するケースも少なくありません。

無断キャンセルは歯科医院にとって損失になるばかりではなく、患者にとっても大きなデメリットになるのですが、歯科医院の予約はキャンセル料が発生するものではないので簡単に無断キャンセルされやすいのが大きな問題です。

無断キャンセルがあった場合は、速やかに患者に連絡を入れて

「本日予約時間になってもいらっしゃらなかったのですがどうされましたか?」

と声がけをして、何度も無断キャンセルされないように配慮することも大切です。

4. キャンセル待ちの患者に連絡を入れる

キャンセルが出てしまうと貴重な治療時間が空いてしまい損失が出るだけなので、キャンセル待ちだった患者に連絡を入れて、もし都合が合えば診察が可能であることを伝えてください。

今すぐ治療を受けたいけど予約がびっしりで入れなくて困っている急患の方も多いので、スムーズにキャンセルが出た空き時間を埋められる場合が多いです。

歯科医院のキャンセル率の高さは死活問題!しっかり対策を行いましょう

キャンセル率が高い歯科医院は、経営状況に悪い影響を与えてしまうため、できるだけキャンセル率を低下させるための対策を講じることが大切です。弊社では、歯科医院様と緻密なヒアリングを行うことで、理想に沿ったわかりやすいホームページが作成できます。

患者のために時間を確保するために予約制を採用しているのに、患者自身は予約診療の重要性をあまり理解していないため安易にキャンセルしてしまう傾向があるため、まずは予約診療の意義についてしっかり理解してもらえるような説明をしてください。

痛みがなくなると予約した日時を忘れる例も多いので、予約日時の前にメールなどで予約確認を行うと効果的です。

やむを得ずキャンセルになった場合は、次回以降の予防策に繋がるように適切な対応を心がけ、キャンセル率をできるだけ低下させる取り組みを行いましょう。