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2025年問題を見据えて、歯科の訪問診療に着手するのは“今でしょ”の理由

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歯科関係者のみなさまは「2025年問題」という言葉をご存知かと思いますが、この問題を「10年先の自医院の診療体制の在り方」と結びつけて考えられたことがあるでしょうか?
「2025年問題」とは。
第2次大戦後の1947~49年のベビーブームで生まれた団塊の世代は日本の人口に占める割合として、前後の世代と比べ極端に人数が多いことで知られています。この団塊の世代が2025年に75歳以上になり、日本の全人口の2割弱にあたる約2200万人が介護リスクの高い後期高齢者にあたる75歳以上という超高齢化社会が到来します。団塊の世代が医療や介護を受ける側に回るにあたり、社会保障制度が持続できるか、100万人とも目される介護サービスの担い手不足はどうするかなど、様々な問題が懸念されています。
もちろん、歯科業界も2025年問題を迎えるにあたり多大な影響を受けます。10年後の超高齢社会を歯科医院はどのようにして生き抜けばよいのか、その在り方の一つとして、今回は「歯科の訪問診療」について考えてみます。

2025年には12歳以下の子供の虫歯治療は限りなく0に近づく!?

まずは2025年(平成37年)頃の歯科業界の傾向を予測してみましょう。
その特徴の一つは、「子供の虫歯治療は激減し、予防歯科治療がメインになる」ことが挙げられます。
図1は3歳児、12歳児の1人あたりの平均虫歯数の年次推移です。
H1年からH23年で4.3本から1.2本になっていますので、さらに10年後のH33年頃には1本を切り、2025年(平成37年)頃には極めて0本に近づいていることが予想されます。
当然、う蝕治療メインだったこれまでとは診療体勢のあり方が変わってきます。

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図1 3歳児、12歳児の1人あたりの平均虫歯数の年次推移
参照:厚生労働省「平成26年度診療報酬改定の概要」

2025年には歯科の受診を必要とする患者の1/6が要介護の高齢者に!?

一方で、もう一つの特徴は高齢者層の動向です。人口の中心となる高齢者層の動きを見てみると、「今後ますます高齢者の歯科受信者は増加してゆく」ことがわかります。

図2は年齢(4区分)別の歯科診療所の患者数と割合です。
H23年段階で高齢化の進展に伴い、高齢者の歯科受診患者は増加しており、歯科診療所の受診患者の3人に1人以上が 65歳以上となっています。 
すでに2015年(H27年)にこのブロックに65歳となった団塊の世代(1947~49年)が加わっており、さらにその10年後の2025年(H37年)には、歯科診療所の受診患者の1/3が75歳以上の超高齢者になっている可能性が濃厚となってきました。

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図2 年齢(4区分)別の歯科診療所の患者数と割合
参照:厚生労働省「平成26年度診療報酬改定の概要」

 

それが何を意味するかを詳しく見てみましょう。
図3は要介護度別認定者数の推移です。

要介護の高齢者数は年々増加傾向にあり、H12年度からH24年度までの10年間で平均2倍以上となっています。さらにその10年後のH34年には倍増し、2025年(H37年)には1000万人に迫る可能性があります。つまり、75歳以上の超高齢者22000万人のうち半数が要介護である可能性が出てくることになります。

図2から得た「歯科診療所の受診患者の1/3が75歳以上の超高齢者になっている可能性がある」という事実と合わせると、「歯科診療所の受診患者の1/6が要介護、つまり、歯科医院に直接通えない超高齢者になっている可能性がある」ということです。

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図3 要介護度別認定者数の推移
参照:厚労省資料

歯科の訪問診療体勢は受け皿不足。10年後の安定目指し即スタートを

患者さんが歯科医院に通えないとなると、歯科医師が患者さんのところに出向くしかないのですが、こうした状況に対して、訪問診療を行っている歯科の数は今現在不足しており、深刻な訪問歯科医師不足を招かないためにも、訪問診療を行う体勢を進めることが急務となります。

また、個々の歯科医院にとっても、10年後にも訪問診療をしていない場合は、1/6の患者数を失うということにもなり、経営の基盤を揺るがしかねません。

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図4 在宅歯科診療の現状
参照:厚生労働省「平成26年度診療報酬改定の概要」

また、図4は在宅歯科診療の現状を示したものですが、ここから伺える今後の歯科の訪問診療における課題としては、次のようなものが考えられます。

・歯科は在宅医療の中心的役割を果たす。

・比較的、訪問診療のしやすい介護施設だけでなく、個別の対応が求められる個人宅への訪問診療をスムーズに行うためのシステム構築や経験値が必要である。

・訪問診療における歯科治療の中心は入れ歯のケアであり、今後10年のうちに、この入れ歯のケアに加え、入れ歯に替わるインプラント術後のケアや、インプラント治療そのもの、これ以上歯を失わないための予防歯科、他の病気との関連性も高い歯周病などを扱う可能性も考える必要がある。

歯科の訪問診療は、機材やシステムの導入だけでなく、チーム全体が専門知識と経験値を有している必要があり、新規に始めるにあたっても、安定継続していくにも、一筋縄ではいかないことでしょう。
それだけに、2025年には確実に軌道にのっている状態を想定すれば、着手するのはまさに“いま”なのではないでしょうか。

歯科の訪問診療を始めるのは簡単ではありませんが、10年後を見据えて、着手するにはすでに遅くはなさそうです。