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現役モデルが矯正器具でニッコリ!? 微笑みの矯正王国 【世界の歯科事情002 タイ王国】

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世界の歯科事情は日本とどのくらい違うのかをレポートする本シリーズ。第2回目はタイ王国です。
タイと縁遠い人はちょっと驚かれるかもしれませんが、経済成長が進むタイの中でも取り分け首都バンコクでは近年、海外の一流ホテルが入った高層ビルや真新しいショッピングモールがいくつも建ち、街を闊歩する10代から20代前半の若者たちは自分流のファッションに身を包みスマホを片時も離さず過ごすといった、日本と変わらない様相です。そんな若者たちの姿で日本と顕著な違いがあるとしたら、タイでは非常に歯列矯正をしている人が多いということです。この人もあの人も、あっちでもこっちでもといった様子で、若年層を中心に歯列矯正人口が不思議なほど多いのです。そんなタイのいまどき歯科事情をご紹介します。

経済格差と共に治療格差も広がる

アジア各国の平均年収を示すデータ(平成23年度版)によると、日本409万円に対してタイは110万円程度とされています。しかしこのタイの数字は上位職についている人の平均で、中流階級の年収目安は30~40万円程度、地方の農業従事者は10万円に満たない世帯もあり、経済格差が広がっていることが伺えます。

さらにはこうした経済格差がそのまま医療格差につながってきた歴史がこの国にはあります。タイには長らく医療保険制度と呼べるようなシステムがありませんでした。医療保険に加入できるのは公務員と企業に勤める人(91年に制度開始)だけで、しかも保障対象は本人のみで家族は対象外(一部例外あり)だったのです。こうした保障対象外の家族や自営業者、無職の人には加入できる医療保険がなく、すべて自費で賄わなければならなかったため、経済格差=医療格差という状況が長く続いてきました。

この状況を変えたのが2002年に導入された通称「30バーツ医療制度」で、この制度に加入した人は誰でも30バーツ(約100円)を払えば、この医療制度を受け入れている公的な病院において診療・投薬・入院が可能で、日本の医療保険ではカバーしていない出産や各種予防接種・健康診断なども対象としています。ところが、非常に残念なことに歯科診療は制度の対象外であるため、タイの歯科治療の実態にはいまだ経済格差が反映されているともいえます。

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高層ビル群が建ち並ぶタイの首都・バンコクの風景

 

専門性に長けたタイの歯科治療のメリットとデメリット

さて、そのタイの歯科治療の特徴をみてみましょう。
なんといっても最大の特徴はアメリカの歯科医と同様の「専門性」と言えます。タイの歯科医師は歯科大を卒業して免許を取得した後、専門医の資格を取るための講習や実習を受けなければならず、非常に高いレベルを有していると言われています。
実際の治療では、歯周病の専門医は歯周病だけを診察し、歯根の専門医は歯根の治療だけをするといった具合。それぞれに特化した治療をし続けているため、高いクオリティを維持できるのも当然ですね。
日本にも専門医はいますが、歯科治療の保険点数が異常に低い日本においては、個人の医院において専門医を揃えることはできないため、たいていの開業医はあらゆる一般的な歯科治療を行わざるを得ません。

クオリティの高い治療が受けられるところがタイの専門医制のメリットですが、一方デメリットとしては該当箇所の専門医がいない日には治療してもらえないということです。歯茎の腫れと激しい痛みを訴えて急患として来た患者さんがいても、根尖病巣の治療の専門医がいないと、痛み止めの薬が出されて「○曜日に来てください」と言って帰されてしまうことも多いそう。取りあえず痛みに対応してくれる日本の歯科治療に慣れている日本人が知らずに行くとかなりショックな対応ですね。

タイの歯科治療費は世界的に見ても安い

タイの歯科治療は自費治療ですので、日本と比べれば高いのですが、同じく自費治療の国々と比べればかなり安いと言えます。
以下の画像はいずれも日本人が多いバンコクの日本人向け歯科医院の料金表です。1バーツ3.42円(2015/11/27現在)で換算してみると、通常の抜歯で、上の歯科医院で2,394~3,078円、下の歯科医院で3,420~6,840円と、保険治療となる日本と比べても驚くほど高い金額ではないことがわかります。

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参照元:http://www.bangkokhealthcare.com/price.htm

 

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参照元:http://jiyuland5.com/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA
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さらに、保険が適用されない自費治療分野に関して言えば、日本の自費治療の費用は世界の中でもさほど安くはありませんので、タイではかなり格安に治療を受けることが出来ます。
特に審美歯科の分野や、日本では100万仕事になってしまような総入れ歯や成人の歯列矯正がその1/3くらいの価格でできるとのことで、タイに住む外国人の間ではこうした高額の治療をタイ滞在中に受けることがポピュラーになっているとのことです。また、“メディカルツアー”と称した、歯科科治療をメインに据え合間に観光も組み込んだツアーなども存在し、特に歯科治療費の高額な米国では一定の需要があるそうです。

こうしたレベル(と料金)の高い治療は、外国人だけでなくタイの高額所得者も享受しています。一方で低額所得者向けにはさらに安い歯科医院もあるようですが、治療レベルも価格に比例するとのことで、医療格差があることは否めません。

矯正王国タイランド

タイの歯科事情の中でも特筆すべきが歯列矯正についてです。タイ人の歯並びへのこだわりは並々ならぬものがあります。女性も男性も歯並びが悪いと異性にもてないばかりか、社会的信用も得られないと言います。歯列矯正が10万程度~と、比較的安くできることもあり、中流階級以上の家庭の子供たちはこぞって矯正をしています。
日本では矯正器具が見えるのはちょっと恥ずかしいという雰囲気があり、女性だと笑うときにも口元を隠したりする人が多いものです。ところがタイではまったく逆で、矯正器具はステータスの証でもあるので、隠すどころかワイヤーをカラーにしたり、取り外し可能なチャームをつけてみたりと、おしゃれに楽しむ人が若年層を中心に増えています。

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タイのファッションアイコンでもある人気モデルのFOURちゃん。
タイではモデルや芸能人の中にも矯正しながら活動中の人が大勢います。
参照元:http://picpost.postjung.com/121260.html

人口800万超のタイのバンコクには4万人にも及ぶ日本人が住んでいると言われていますが、夫のタイ赴任に伴い滞在中の日本人夫人の中には、タイ人の歯並びの良さに引け目を感じて現地で矯正を始める人が非常に多いのだそうです。

タイの歯科事情はタイ在中の日本人とも深い関りがあるようですね。

そしてまた、タイで開業する日本人医師も徐々に増えているようです。現状はタイで日本の歯科医師免許は使えませんが、日本の歯科医師免許を持っている医師向けの歯科医師免許試験があります(試験はタイ語ですが)。
また、治療はタイ人医師に任せて、院長がカウンセリングや治療の際の通訳などを専門に担うスタイルもあるようです。
歯科医師飽和状態の日本の都市部で開業をするなら、開業資金の安いタイで開業というのも今後の可能性としてあるのかもしれません。