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コンビニより多い歯科医院がコンビニの経営に学ぶところ:①ユーザー目線で見る診療時間

「コンビニより多い歯科医院」という言葉はすでに聞き飽きた感がありますが、今回はこの言葉の意味をちょっと違った目線で考えてみたいと思います。
「コンビニより多い」ということは、「生き残るためにはコンビニ以上にしのぎを削らなくてはならない」ということを意味します。コンビニの場合、フランチャイズ制であってもその運営方針や経営戦略は母体の組織のフォローを受けることができます。つまり、ポスデータなどから収集したあらゆるデータをもとに立地や面積や競合性などを考慮し、ユーザーニーズに裏打ちされた戦略プラス企業の個性を生かして、次々と時代にあったサービスを打ち出すことで近隣のライバルとの戦いを繰り広げるのです。
「コンビニと歯科医院の経営はまったく違う!」「比較するのがそもそも馬鹿らしい!」という“そもそも論”は一旦置いておき、歯科医院がコンビニから学び取れる「生き残りへの具体的な戦略と戦術」をシリーズで見ていきます。

コンビニが便利なのは顧客のニーズを捉えているからこそ

コンビニエンスストアはconvenienceつまり、ユーザーにとって好都合・便利であるがゆえにコンビニと呼ばれます。その便利さはさまざまにありますが、その筆頭が営業時間でしょう。

コンビニの営業時間は基本24時間です。昭和生まれの人間にとっては、初めて24時間営業のコンビニが近所にできた時の衝撃は忘れられないのではないでしょうか。当時は「人の寝るような深夜に店を開いてお客さんは来るのかね?」と大半の人が思っていたかもしれませんが、それから30年の間に、コンビニは乱立し、24時間の飲食店が増え、24時間のスーパーさえあたり前のようになりました。

しかし、一方で、例外的ではありますが、年中無休でないコンビニもあります。田舎すぎて利用客がいないという店だけでなく、都心のオフィス街などでは日祝休業という店も結構あるものです。要するに「ニーズがあるからこそ便利なのであって、ニーズがないなら便利でもありがたくもない」という鉄則がここにも生きているのです。

じつは日本には24時間診療をする歯科医院があります。救急診療として24時間対応しますというのではなく、通常の診療として割増もなしに診療を受付けているのは、いまのところ同系列の歯科医院グループ一つだけのようです(2016年10月17日現在)。

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△福岡空港のそばにある空港口歯科医院 http://www.hakubunkai.jp/

 

福岡空港のそばにある空港口歯科医院では、24時以降の深夜帯は、開院当初予想していたとおり、急患が毎日一定数あるそうですが、21:00を過ぎてからの時間にもどうしても仕事が多忙で歯科医院に通えないサラリーマンなど、一定したニーズがあるのだそうです。

ただし、先にも記述したとおり、この歯科医院では深夜帯も割増なしで診療をしている一方で、勤務しているスタッフは深夜割増料金がかかるため、経営的な壁は確かにあるそうですが、総合的には採算がとれているとのことです。

ユーザー目線とは? 真の顧客を理解する

コンビニのように限られた面積で最大の効率を出さなければならない業態にとって、ユーザー目線での経営は至極あたり前です。ユーザー目線、医療業界でいれば患者主義とも置き換えられるかもしれませんが、言葉の意味は少し違います。
ユーザー目線について非常に的確に表現された説明があったので、以下に拝借します。

ユーザー目線に立ってサービスを開発するためには、顧客に対する理解が欠かせません。「顧客はこうされれば喜ぶはず」という意識でサービスを提供したとしても、そのサービスが本当に顧客が望むものとは限りません。顧客への聞き取り調査やアンケートを通じ、顧客に対する理解を十分に深めなければ、ユーザー目線に立ってサービスを開発したとは言えません。

重要なポイントは、本当の顧客は誰なのかということです。車いすのユーザーは障害者やお年寄りですが、車いすの顧客は彼らだけではありません。車いすを押している介助者は、直接車いすを使用している顧客ではありませんが、車いすを押すという行為を通じてのユーザーであり、車いすを購入してくれる顧客でもあります。
表面的なことだけ見ていては、本当のユーザー目線を獲得することは不可能です。顧客に対する理解を深めることが、ユーザー目線に立つコツと言えるでしょう。

以上、引用:【真の意味のユーザー目線とは?】大ヒット商品の裏側にあるサービス開発の工夫

 

つまり、小児歯科の患者は子供たちですが、顧客はその(父)母であり、訪問歯科の患者は高齢者や歩行が困難な人たちですが、顧客はその介護者(家族)であるということですね。
もちろん、患者自身の喜びがその介助者の喜びであることには変わりはないので、患者を知ることは大切です。しかし、それと同じくらいに、その患者の来院の意思決定を担う人を知ることが欠かせないのです。

 多くの患者のニーズ「日曜&深夜診療」に応えられていない現実

では、診療時間についての患者さんニーズとは、どんなものなのでしょうか。
以下は、ある調査会社が、クラウドユーザーを対象に、歯科医院の診療時間についてアンケートをとった結果です。母数が100名なので、これが全体の方向性だとは言い切れませんが、少なくともある程度の指向性は示していると言えそうです。


「歯科医院の診療時間について、あなたにとって都合が良い条件はどれですか?」と言う質問に対しての回答は以下の通り。

土日診療:48
夜間診療:29
早朝診療:10
祝日診療:5
その他:8

参照:診療時間に関するアンケート

望まれているのは土日の診療と夜間の診療という結果です。
では、実際の歯科医院はどのくらいこのニーズに応えられているのか。登録件数が62,924件と、比較的多い歯科医院検索サイトで調べてみました。

土曜診療 59,638軒                全体の95%
日曜診療  6325 軒               全体の10%
祝日診療 2246 軒             全体の3.5%
夜間   46519 軒(20時台まで診療)   全体の74%
夜中   410軒(21時以降も診療)     全体の0.7%
早朝   3999軒(8時台から診療)    全体の6.4%

参照:EPARK 

土曜診療を行っている歯科医院は全体の95%、また、20時台まで開院している歯科医院は74%と、ユーザーニーズの一部は満たせているものの、日曜診療は全体の10%、21時以降の夜間の診療は0.7%と、全体としてはユーザーのニーズを満たせていないことがわかります。言い換えると、この満たされていない部分が集患をするチャンスとも言えるのです。

もちろん、患者さんのニーズは地域や患者さんの特性によってもまるで違うため、院内でアンケートを取るなど、自分の歯科医院に来られている患者さんのニーズを確実に押さえることが重要です。

 

まとめ

医師の確保や採算性、他の歯科医院との関係性など様々な問題があって、いまのところ、24時間営業の歯科医院が乱立するという状況にはなさそうですが、日曜診療や、21:00以降の診療などは、患者のニーズ次第では採り入れることで確実に患者数を増やすことができそうです。 

とはいえ、深夜や日曜日の診療は、マンパワーの確保など、難しいことも多いでしょうから、ニーズ調査をしたうえで、部分的に採り入れることも可能です。
例えば、19:00まで診療している歯科医院が20:00まで診療時間を延ばしたとします。20分1枠として3人分、1週間5日として15人、1カ月4週として60人、平均7割の稼働率としても1カ月に42名の患者増だとしたらいかがでしょうか。
逆にアンケートをとってニーズが薄そうな時間帯があれば、その時間帯を断捨離してしまうのも一つの手です。

患者にとって何が便利であるか? この命題への答えの一つとして、診療時間というのはかなり明快な結果を出してくれそうです。

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